緩和ケア:浸透せず…周知へ厚労省がリーフレット

保険カンパニー

2014年07月01日 09:59

緩和ケアは、がんと診断された時から始まります−−。
2007年施行のがん対策基本法で、がん医療の柱の一つに据えられた「緩和ケア」だが、
いまだに医療機関によって取り組みの差が大きいため、厚生労働省は先月、全国397カ所の
がん診療連携拠点病院に理解を助けるリーフレットを配布した。
「今更」ともいえる周知徹底策だが、厚労省は「患者の理解も必要になる。各病院は、
分かりやすく伝える資料を作ってほしい」と求めている。

患者のさまざまな身体的、精神的苦痛を低減する緩和ケアの対象については、「治療後」
「終末期」など誤解が根強い。リーフレット(A4判2ページ)では、診断時から全ての患者に
切れ目なく、適切なケアを実施するよう求めた。また冒頭に赤字で、「医師をはじめとする、
全ての医療従事者」が読むよう呼び掛けた。

拠点病院では、08年から専任の医師や看護師による緩和ケアチームの整備を義務付けられたが、
5年以上たった今も、▽医療者の意識が以前と変わらない▽ケアに対応する人員が足りない
−−などから、対応に差が生じている。

今年1月には拠点病院の指定要件が改定され、緩和ケアは
(1)すべてのがん患者に診断時から実施(2)チームで対応(3)退院後も継続
−−などの原則が加えられた。拠点病院は2年以内に、必要なスタッフや体制整備を進める。
今回のリーフレットが、患者の苦痛を拾い上げる体制作りに役立てられるか、各病院の
取り組みが注目されそうだ。


本日の担当:御殿場店 池谷 (毎日新聞より)