沼津出店続々、巻き返し好機 にぎわい、雇用創出期待

保険カンパニー

2014年09月18日 10:16

 沼津市で大型商業施設や専門店の開業、出店計画が相次いでいる。周辺地域からの集客や販売促進を狙った新たな商業施設の誕生により、地域の都市的な魅力の向上や、雇用の創出などに期待が寄せられている。
 
 三井不動産が市内に計画する大型商業施設「ららぽーと」。計画では広域集客性などをキーワードに約200店のテナントが入る。市は市全体に経済効果をもたらすとして、建設予定地の市街化調整区域の開発規制を緩和する方針。同社は「計画実現に向けて、行政や地権者と協議を進めていく」(担当者)。

 カジュアル衣料品店「ユニクロ」と姉妹ブランド「ジーユー」が一緒になった路面店では全国初の店舗が12日、沼津市寿町にオープンした。1階のユニクロ、2階のジーユーともフロアは約1500平方メートルで県内最大級の店舗。ユニクロ沼津店の松山秀和店長(33)は「買い回りのしやすさやサービスを向上させ、半径40キロ以内の人たちをターゲットに、全世代が楽しめる店舗を目指したい」と意気込む。

 エンチョーは来春にも沼津市松長に建築金物や道具・工具の専門店「ハードストック」を開店する。県東部では初。業者や個人事業主に加え、手作りの工作などDIYの高まりもあって一般消費者のニーズにも応え、富士など周辺地域からの集客も狙う。

 ニトリは同市西沢田に沼津店を11月中旬にオープンする予定。県内のドミナント(地域占有)化戦略として、国道1号沿いにある富士店と三島店の間で候補地を探していた。担当者は「県東部は地域資源が多く、地の利にも恵まれている。交通インフラも整備されつつあり、潜在力を有している」と期待する。


◇「商都」の潜在力注目
 沼津市内で相次ぐ商業施設の開業や出店計画。昨年の西武沼津店の閉店などマイナスの話題が多かっただけに、市内の経済関係者は県東部の「商都」再生への期待を込め、動向に注目している。
 市によると、市内の年間商品販売額は1991年の1兆2212億円をピークに、2007年には7922億円へと減った。
 市商工振興課は旧西武沼津店の跡地利用も早く決まったことも挙げ、「沼津の潜在力は下がっていない」とみる。
 沼津商工会議所の市川厚会頭は「沼津が再び見直された。地域経済活性化につなげないといけない」と歓迎する。中心商店街の関係者も沼津への流入人口が増えると受け止める一方、「商店街の衰退は地方が抱える悩み。買い物客の流出は心配」と懸念も示した。
 企業経営研究所の中山勝常務理事は「消費者が潜在的に抱く精神的、社会的価値が付加された商品提供につながる。沼津の商業に不足している部分を補えられれば、経済発展のチャンスにもなる」と分析する。

本日の担当 学園通り店 杉山 (静岡新聞より)