ヒトと犬:「見つめ」「触れ合い」深まる絆

保険カンパニー

2015年04月20日 08:38

◇異種間で愛情ホルモン 麻布大などのチーム初確認

犬と飼い主は、アイコンタクトや触れ合いで、お互いの親近感を高めているとの分析を、
麻布大や自治医科大などのチームが17日付の米科学誌サイエンスに発表した。
こうした行為で関連ホルモンが多く分泌されるようになった。この現象がマウスやヒトの
母子間で起こることは実験で明らかになっているが、異種間での確認は初めてという。

このホルモンは、母乳の分泌などを促すオキシトシンで、相手を信頼したくなる心理的な
効果があると考えられており「愛情ホルモン」とも呼ばれる。

チームは30組の犬と飼い主を30分間部屋で遊ばせ、尿に含まれるオキシトシンの
濃度変化を調べた。その結果、長時間見つめ合ったペアはオキシトシン値がともに上がり、
特に飼い主は約3倍に急増することが分かった。

一方で、話したり触ったりを飼い主に禁じた実験では、犬のオキシトシン値は上がらなかった。
このため、ヒトでは犬の「まなざし」、犬では飼い主との「触れ合い」が親近感を高めるのに
重要な要素になっていることをうかがわせた。

同様の実験をヒトに慣れたシンリンオオカミと飼い主11組で行ったところ、オオカミは
じゃれついても視線を合わせず、それぞれのオキシトシン値は変わらなかった。

麻布大の菊水健史(たけふみ)教授(動物行動学)は「一方のオキシトシンが増えると、
相手の愛情表現を促す行動を取り合う好循環が生まれる。犬にはヒトと同様の寛容な気質があり、
人間と『絆』を形成できる特異な動物ではないか」と話す。


本日の担当:沼津店 山崎 (毎日新聞より)