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2016年01月19日

自動ブレーキで事故6割減 変化迫られる自動車保険

自動ブレーキなど先進的な安全装置を搭載した「先進安全自動車(ASV)」について、損害保険各社は
2017年1月から任意保険料を平均で10%程度割り引く方針を固めたとの報道が、2015年末にありまし
た。

自動車の任意保険は、加入するクルマによって「料率クラス」(1から9まであり、1が最も安い)が設定さ
れています。これは、クルマの型式ごとの事故率や保険金支払額などによって損害保険料率算出機構
が決定していますが、そのほかに「イモビライザー割引」など、特定の装置搭載車に対する割引制度が
あり、来年からはそこに「自動ブレーキ割引」が加わることになりそうです。

はたして、自動ブレーキがついていると、実際にはどれくらい事故を減らせるのでしょう。国産メーカーで
この分野をリードしているスバルに問い合わせたところ、驚くべきデータが提出されました。

2010年から2014年にかけて、日本で発生した交通事故(交通事故総合分析センター(ITARDA)のデー
タ)のうち、自動ブレーキを搭載したスバル車(「アイサイト(ver.2)」)と、自動ブレーキ無しスバル車につ
いて比較したところ、自動ブレーキ付きは無しに対して、約6割もの事故低減効果が見られるのです。
特に追突に関しては8割以上の低減率で、極めて顕著な差があります。

スバルの運転支援システムである「アイサイト(ver.2)」は、車両だけでなく2輪車や人を検知し、速度差
が30km/h以内なら自動ブレーキで衝突回避か被害軽減を行うわけですが(現在は進化型の「ver.3」が
速度差50km/hまでカバー)、実際にこういうデータを見せられると、来年からの任意保険料10%割引と
いう数字が、非常に物足りないものに感じてしまいます。

ただ「自動ブレーキ」といっても、その性能は千差万別です。たとえば軽自動車に搭載されている自動
ブレーキは、30km/h以下で走行中に車両に対してだけ働く簡易型が主流。そういったものとスバルの
「アイサイト」とでは大きな性能差があり、「先進安全自動車(ASV)」でひとくくりにした割引を設定する
場合、約6割の事故低減率をそのまま反映させるわけにはいかないのは理解できます。

では、「アイサイト」が標準装備されている車種はそもそも保険料が安い(「料率クラス」が低い)のかと
いうと、現状はそれほどでもありません。たとえば「アイサイト(ver.3)」が標準装備のスバル「レヴォー
グ」(1.6)は、料率クラスが「4/4/4/5(対人/対物/同乗/車両)」となっており、平均よりやや低い
(安い)程度です。
.
保険金の請求は、自宅車庫内での自損、盗難、いたずら、風水害など様々なケースがあり、クルマに
よって修理代金にも差が出るので、いわゆる「交通事故発生率」が保険の「料率クラス」へそのまま反
映されるわけではありません。加えて「料率クラス」が下がるのも上がるのも、そのモデルの登場から
多少時間を要する仕組みになっています。

ただ、それにしても割引が10%というのは、首をかしげたくなります。

しかしこういった現状は、近いうちに変わってくるかもしれません。

「損害保険は金融庁の管轄下にあり、商品は認可性ですが、申請をすれば新商品の認可を取ること
は可能です。近年登場した、年間走行距離で保険料を割引くリスク細分型もそのひとつですが、今後、
自動ブレーキ搭載車について、車種ごとに割引率を変える保険が出てくる可能性はあると思います」
(大手保険代理店役員)

また、そう遠くない将来の実用化が確実視されている自動運転技術は、事故率をさらに大きく下げるで
しょう。自動運転にも性能差は出るでしょうから一概にはいえませんが、仮に9割それが普及すれば、
事故発生件数がひとケタ近く下がる可能性もあります。

「そうなったら年間8兆円の規模を持つ損害保険業界を大激震が襲う」と危惧(?)する向きもあります
が、それについては、「まだ検討もされていません」(損保業界関係者)とのことでした。


本日の担当:御殿場店 鈴木



Posted by 保険カンパニー at 09:15│Comments(0)
 
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