2015年11月19日
低カロリーで満腹感 日本の風土に根ざした健康食「汁物」で肥満抑制
和食の基本は「一汁三菜」ともいわれるが、食事の際、みそ汁やすまし汁といった汁物を
メニューに加えることがメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)や肥満の抑制に
効果のある可能性がデータで示された。油脂分の少なさや満腹感をもたらすことなどが
要因とみられ、専門家は「日本の風土に根ざした健康食。積極的に取り入れてほしい」と
訴えている。
■食べ過ぎ防ぐ
汁物を食べる頻度が多い人の方が肥満になりにくいことが示唆されたのは、福島県教育委員会に
よる児童・生徒への食生活アンケートの結果だ。食育の指針作成のための基礎データとして、
平成25年(県内の小中学生約2300人対象)と27年(同小学生約2200人対象)の2回実施した。
それによると、肥満ではない生徒・児童では、夕食の際、汁物を「食べることが多い」と答えた人と
「食べないことが多い」と答えた人の比率はほぼ8対2。それに対し、年齢や性別、身長から
設定された標準体重を20%以上超過する肥満傾向の生徒・児童では7対3と、統計学的に有意な
差が出た。
この結果について、調査をとりまとめた同県三春町立三春中学校の栄養教諭、土屋久美さんは
「汁物はカロリーが低く、摂取によりおなかが膨れることも大きいのではないか」とみる。汁物の
多くが1杯50キロカロリー以下なのに対し、揚げ物などはひと切れで100キロカロリーを上回るものも
多く、汁物で満腹感を得ることで、食べ過ぎやカロリーオーバーを防いでいる可能性があるという。
また、汁物は具材として野菜を効率的に摂取できるため、その栄養バランスのよさも肥満の抑制に
作用している可能性があると指摘する。
■水質よい国ゆえ
2013年、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に和食が登録された。
その申請に際し、一汁三菜の和食はワンプレートの食事に比べ、栄養バランスが理想的で動物性
油脂が少なく、長寿や肥満防止に寄与してきたことを特長として位置づけた。
和食の健康効果について研究している東北大大学院農学研究科の都築毅准教授によると、
汁物をはじめとする「煮る」調理法は、きれいな水が手に入りやすい日本で特に発達してきた。
しかし、食文化の変化により、1980年代から油を多用する「揚げる・炒める」方法が広まったという。
「煮る」調理法の利点について都築准教授は「水の沸点が100度のため、数百度の高熱にさらす
揚げ物や炒め物に比べ、材料の成分が壊れたり酸化することが少なく、健康的」と解説する。
汁物には「数千もの成分を含んで栄養価が高く、どんな具とも合うみそを使うのが特にお薦め」という。
みそといえば高血圧の原因ともなる塩分量が気になるところだが、都築准教授は「みそには塩分が
含まれる一方、大豆由来の含有成分に降圧作用があるとされ、1日3杯程度なら血圧に影響しないとの
研究結果が報告されている」と話している。
■福島では食育に反映
東京電力福島第1原発事故後に屋外での活動が制限され、肥満の子供が増えた福島県。
現在、県教委では食育の指針の改定作業を行っており、汁物摂取の薦めなど、今回得られた成果を
反映させる方針だ。また、三春中でも、週4回のご飯給食の際は必ず汁物をつけるほか、家庭科の
教師と連携し、調理実習でも汁物の重要性を教えながら実際に調理。家庭向けには「学校だより」を
使って今回のデータを伝え、食事メニューを決める際の参考にしてもらっているという。
本日の担当:沼津店 坂倉 (産経新聞より)
メニューに加えることがメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)や肥満の抑制に
効果のある可能性がデータで示された。油脂分の少なさや満腹感をもたらすことなどが
要因とみられ、専門家は「日本の風土に根ざした健康食。積極的に取り入れてほしい」と
訴えている。
■食べ過ぎ防ぐ
汁物を食べる頻度が多い人の方が肥満になりにくいことが示唆されたのは、福島県教育委員会に
よる児童・生徒への食生活アンケートの結果だ。食育の指針作成のための基礎データとして、
平成25年(県内の小中学生約2300人対象)と27年(同小学生約2200人対象)の2回実施した。
それによると、肥満ではない生徒・児童では、夕食の際、汁物を「食べることが多い」と答えた人と
「食べないことが多い」と答えた人の比率はほぼ8対2。それに対し、年齢や性別、身長から
設定された標準体重を20%以上超過する肥満傾向の生徒・児童では7対3と、統計学的に有意な
差が出た。
この結果について、調査をとりまとめた同県三春町立三春中学校の栄養教諭、土屋久美さんは
「汁物はカロリーが低く、摂取によりおなかが膨れることも大きいのではないか」とみる。汁物の
多くが1杯50キロカロリー以下なのに対し、揚げ物などはひと切れで100キロカロリーを上回るものも
多く、汁物で満腹感を得ることで、食べ過ぎやカロリーオーバーを防いでいる可能性があるという。
また、汁物は具材として野菜を効率的に摂取できるため、その栄養バランスのよさも肥満の抑制に
作用している可能性があると指摘する。
■水質よい国ゆえ
2013年、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に和食が登録された。
その申請に際し、一汁三菜の和食はワンプレートの食事に比べ、栄養バランスが理想的で動物性
油脂が少なく、長寿や肥満防止に寄与してきたことを特長として位置づけた。
和食の健康効果について研究している東北大大学院農学研究科の都築毅准教授によると、
汁物をはじめとする「煮る」調理法は、きれいな水が手に入りやすい日本で特に発達してきた。
しかし、食文化の変化により、1980年代から油を多用する「揚げる・炒める」方法が広まったという。
「煮る」調理法の利点について都築准教授は「水の沸点が100度のため、数百度の高熱にさらす
揚げ物や炒め物に比べ、材料の成分が壊れたり酸化することが少なく、健康的」と解説する。
汁物には「数千もの成分を含んで栄養価が高く、どんな具とも合うみそを使うのが特にお薦め」という。
みそといえば高血圧の原因ともなる塩分量が気になるところだが、都築准教授は「みそには塩分が
含まれる一方、大豆由来の含有成分に降圧作用があるとされ、1日3杯程度なら血圧に影響しないとの
研究結果が報告されている」と話している。
■福島では食育に反映
東京電力福島第1原発事故後に屋外での活動が制限され、肥満の子供が増えた福島県。
現在、県教委では食育の指針の改定作業を行っており、汁物摂取の薦めなど、今回得られた成果を
反映させる方針だ。また、三春中でも、週4回のご飯給食の際は必ず汁物をつけるほか、家庭科の
教師と連携し、調理実習でも汁物の重要性を教えながら実際に調理。家庭向けには「学校だより」を
使って今回のデータを伝え、食事メニューを決める際の参考にしてもらっているという。
本日の担当:沼津店 坂倉 (産経新聞より)
Posted by 保険カンパニー at
09:10
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