2014年12月29日
がんで「5年生存率は30%」と言われたら
国立がん研究センターは2014年9月に、胃がんや肺がんなどの「5年生存率」を検索できる新しいシステムを
ウェブサイト(https://kapweb.chiba-cancer-registry.org/)で公開しました。
ニュースでも報道されたので、ご存じの方も多いでしょう。
がんの5年生存率とは、がんと診断されてから5年間生きている人の割合のことです。5年生存率が30%とは、
ある時点でがんと診断された100人のうち30人が5年後も生きており、70人は既に亡くなっているという意味です。
がんの種類によっても異なりますが、5年生存率は、おおよそ治癒の目安と考えられています。
ただ、その数値を受け止める際には、いくつか頭に入れておく方がよいことがあります。まず、今回公開されたのは、
1997~2005年にがんと診断された人、つまり今から10年以上も前に診断された患者の情報を集計したものだとい
う点です。当時と今とでは、診断技術も治療技術も違います。研究者側も、「現在は医療の進歩により、この生存率
の数字よりさらに治療成績は向上していると考えてください」と述べています。
また、5年生存率は、大勢の患者のデータを集計した平均的な数値であり、かつ、ほとんどの人にとって、その中に
自分自身は含まれていません。5年生存率の数値が高くても低くても、自分自身が5年後に生きているのか死んで
いるのかを予測してくれるわけではありません。
さらに言えば、例えば5年生存率が30%だった場合、「70%が亡くなる」とネガティブにとらえるか、「30%が生きて
いる」とポジティブにとらえるかでも、ずいぶん違ってきます。またそもそも、自分が「数値も含めてできるだけ多くを
知りたい」タイプなのか、「数値を知るとかえってつらくなる」タイプなのかという問題もあります。
データは重要ですが、数字はあくまでも数字。自分が後者の「つらくなる」タイプだと思うなら、あえて5年生存率を
知らずに過ごすというのも、選択肢の一つではないでしょうか。
本日の担当:御殿場店 池谷(日経新聞より)
ウェブサイト(https://kapweb.chiba-cancer-registry.org/)で公開しました。
ニュースでも報道されたので、ご存じの方も多いでしょう。
がんの5年生存率とは、がんと診断されてから5年間生きている人の割合のことです。5年生存率が30%とは、
ある時点でがんと診断された100人のうち30人が5年後も生きており、70人は既に亡くなっているという意味です。
がんの種類によっても異なりますが、5年生存率は、おおよそ治癒の目安と考えられています。
ただ、その数値を受け止める際には、いくつか頭に入れておく方がよいことがあります。まず、今回公開されたのは、
1997~2005年にがんと診断された人、つまり今から10年以上も前に診断された患者の情報を集計したものだとい
う点です。当時と今とでは、診断技術も治療技術も違います。研究者側も、「現在は医療の進歩により、この生存率
の数字よりさらに治療成績は向上していると考えてください」と述べています。
また、5年生存率は、大勢の患者のデータを集計した平均的な数値であり、かつ、ほとんどの人にとって、その中に
自分自身は含まれていません。5年生存率の数値が高くても低くても、自分自身が5年後に生きているのか死んで
いるのかを予測してくれるわけではありません。
さらに言えば、例えば5年生存率が30%だった場合、「70%が亡くなる」とネガティブにとらえるか、「30%が生きて
いる」とポジティブにとらえるかでも、ずいぶん違ってきます。またそもそも、自分が「数値も含めてできるだけ多くを
知りたい」タイプなのか、「数値を知るとかえってつらくなる」タイプなのかという問題もあります。
データは重要ですが、数字はあくまでも数字。自分が後者の「つらくなる」タイプだと思うなら、あえて5年生存率を
知らずに過ごすというのも、選択肢の一つではないでしょうか。
本日の担当:御殿場店 池谷(日経新聞より)
Posted by 保険カンパニー at
09:55
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