2014年09月24日
糖尿病でもケーキの楽しみ
■「無糖」ケーキ、神戸の医院と洋菓子店が開発
メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)と関連が深い糖尿病とその予備軍。食事療法が
始まると、つらいのは好物の甘い菓子類を控えることだという。そこで、制限するより、
食の楽しみを重視しようと、糖尿病患者の食事指導を行う管理栄養士と洋菓子店が連携。
砂糖ゼロで低カロリーのロールケーキを開発し、その成果が学会で発表された。味や食感を
通常商品のレベルにすることに成功しており、患者らには朗報だ。
◆味・食感、ほぼ同じ
開発したのは、にしかげ内科クリニック(神戸市垂水区、西影裕文院長)の管理栄養士、
向山万為子さんのグループ。日頃の栄養指導で、患者が甘い菓子類を我慢できないとの
声が多いため、そういう人たちでも食べられるスイーツを作りたいと無糖のケーキのレシピ作りを
思い立った。
複数の洋菓子店に声を掛け、神戸市内に本店を置く「パティスリー・ブルシェ」(吉田英三代表)が
「ぜひ一緒にやりたい」と協力を申し出た。
開発に当たっては砂糖に代わるものとして、「泡立ちなど卵に配合した際の相性が一番良かった」
パルスイートという甘味料を選び、ケーキの生地に巻き込む生クリームは低脂肪の生乳を使用した。
低カロリーでも普通のスイーツと同じような満足感を得られるようにするため、「生地やクリームに
入れる甘味料の量を1グラム単位で調整し、試作を繰り返した」(向山さん)。
構想から1年後、商品が完成。カロリーは厚さ約2・5センチの輪切りのサイズで121キロカロリーと、
砂糖を使った場合のロールケーキに比べ、約40%のカロリーオフを実現した。
小麦粉を使い、米粉やふすま粉は使わなかった商品は画期的で、これにより、食感や味が
通常商品とほぼ変わらないものに仕上がった。
患者やその家族向けの試食会も実施。170人のうち9割が「おいしく、ちょうどよい甘さ」という
回答だった。今年から同店の商品に加わった。もちろん砂糖はゼロだから、血糖値の急激な
上昇などの心配も少なく、「糖尿病患者やメタボの人、ダイエット中の人にも好評で、遠方の人には
通信販売で応じている」(同店)という。
◆学会でも注目
このケーキは、糖尿病患者と多く接し、その心情を熟知する専門医の西影院長の思いも反映されている。
同クリニックが糖尿病患者にアンケート(53人回答)を行ったところ、7割以上が週に数回以上、
甘い菓子類を食べてしまい、「ほぼ毎日」という人も17%いた。
向山さんらの成果は5月の日本糖尿病学会年次学術集会で発表され、単なる菓子にとどまらず、
食事療法の新たな方法として注目を集めた。向山さんは「味と低カロリーなどを重視した商品が増えれば、
患者さんが生活の質(QOL)を下げずに、食事療法を続けられる」と話している。
■難しい食事療法継続
日本人の糖尿病患者とその予備軍の合計は2050万人(平成24年国民健康・栄養調査)。
治療の基本となるのが食事療法と運動療法で、食事療法は適正なカロリーと栄養バランスで血糖値上昇を
抑え、症状悪化と合併症を防ぐ。
だが、頭で理解できても実行は難しく、糖尿病研究・治療の権威で国立国際医療研究センター総長の
春日雅人氏によると、糖尿病外来での診察経験から「指示された食事療法を1年間継続できる人は
1割以下で、食事に少し気をつける、といった程度のことでも半数から7割くらいの継続率」という。
本日の担当:沼津店 坂倉 (産経新聞より)
メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)と関連が深い糖尿病とその予備軍。食事療法が
始まると、つらいのは好物の甘い菓子類を控えることだという。そこで、制限するより、
食の楽しみを重視しようと、糖尿病患者の食事指導を行う管理栄養士と洋菓子店が連携。
砂糖ゼロで低カロリーのロールケーキを開発し、その成果が学会で発表された。味や食感を
通常商品のレベルにすることに成功しており、患者らには朗報だ。
◆味・食感、ほぼ同じ
開発したのは、にしかげ内科クリニック(神戸市垂水区、西影裕文院長)の管理栄養士、
向山万為子さんのグループ。日頃の栄養指導で、患者が甘い菓子類を我慢できないとの
声が多いため、そういう人たちでも食べられるスイーツを作りたいと無糖のケーキのレシピ作りを
思い立った。
複数の洋菓子店に声を掛け、神戸市内に本店を置く「パティスリー・ブルシェ」(吉田英三代表)が
「ぜひ一緒にやりたい」と協力を申し出た。
開発に当たっては砂糖に代わるものとして、「泡立ちなど卵に配合した際の相性が一番良かった」
パルスイートという甘味料を選び、ケーキの生地に巻き込む生クリームは低脂肪の生乳を使用した。
低カロリーでも普通のスイーツと同じような満足感を得られるようにするため、「生地やクリームに
入れる甘味料の量を1グラム単位で調整し、試作を繰り返した」(向山さん)。
構想から1年後、商品が完成。カロリーは厚さ約2・5センチの輪切りのサイズで121キロカロリーと、
砂糖を使った場合のロールケーキに比べ、約40%のカロリーオフを実現した。
小麦粉を使い、米粉やふすま粉は使わなかった商品は画期的で、これにより、食感や味が
通常商品とほぼ変わらないものに仕上がった。
患者やその家族向けの試食会も実施。170人のうち9割が「おいしく、ちょうどよい甘さ」という
回答だった。今年から同店の商品に加わった。もちろん砂糖はゼロだから、血糖値の急激な
上昇などの心配も少なく、「糖尿病患者やメタボの人、ダイエット中の人にも好評で、遠方の人には
通信販売で応じている」(同店)という。
◆学会でも注目
このケーキは、糖尿病患者と多く接し、その心情を熟知する専門医の西影院長の思いも反映されている。
同クリニックが糖尿病患者にアンケート(53人回答)を行ったところ、7割以上が週に数回以上、
甘い菓子類を食べてしまい、「ほぼ毎日」という人も17%いた。
向山さんらの成果は5月の日本糖尿病学会年次学術集会で発表され、単なる菓子にとどまらず、
食事療法の新たな方法として注目を集めた。向山さんは「味と低カロリーなどを重視した商品が増えれば、
患者さんが生活の質(QOL)を下げずに、食事療法を続けられる」と話している。
■難しい食事療法継続
日本人の糖尿病患者とその予備軍の合計は2050万人(平成24年国民健康・栄養調査)。
治療の基本となるのが食事療法と運動療法で、食事療法は適正なカロリーと栄養バランスで血糖値上昇を
抑え、症状悪化と合併症を防ぐ。
だが、頭で理解できても実行は難しく、糖尿病研究・治療の権威で国立国際医療研究センター総長の
春日雅人氏によると、糖尿病外来での診察経験から「指示された食事療法を1年間継続できる人は
1割以下で、食事に少し気をつける、といった程度のことでも半数から7割くらいの継続率」という。
本日の担当:沼津店 坂倉 (産経新聞より)
Posted by 保険カンパニー at
09:19
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